MENUCLOSE

「探究入試」で桜美林大学ビジネスマネジメント学群に合格したりみさんにインタビュー!

POINT

空港に関わる仕事への憧れから、「航空会社の制服」をテーマに探究学習に取り組んだりみさん。人見知りで初対面の人とのコミュニケーションに苦手意識がありましたが、実際に航空会社で働く方にも疑問をぶつけながら進めた探究学習を通して、自信をつけていきました。

探究学習への取り組みは、思い描くゴールにたどり着くことができなかったとしても自分の強みになる、と語ってくれました。

01.

ずっと空港で働きたいと思っていた、というりみさん。

きっかけは4歳の時。親戚の結婚式に参加するため初めて乗ったハワイ行きの飛行機で、体質があわず、耳の痛みが続き、体調が悪くなってしまいます。

その時に優しく対応してくれたのが、キャビンアテンダント(CA)さんでした。ハワイに到着後も現地のCAさんが、言葉が通じないにも関わらず面倒を見てくれたのです。

その後も海外や国内への家族旅行で飛行機に乗る機会が多かったこともあり、CAや空港で働くグランドスタッフへの憧れを膨らませていきました。

02.

そんな憧れの一方で、りみさんは人見知りな性格に悩んでもいました。

小学4年生の時に通い始めたテニススクール。初対面の人ばかりの中で、コーチにも自分から話しかけにいかないとレベルアップできない環境でした。

「自分のことを知らない人とのコミュニケーションがうまくいかない」と感じ、そこで初めて自分が人見知りだと気づいたのです。そこから、人の前で話すのが嫌になり、目立ちたくないと思うようになってしまいます。

硬式テニスを部活でやるために家から少し離れている中学校に通い始めますが、周りは違う小学校出身の知らない人だらけ。知り合いが10人もいない環境で、人見知りして話すことができず、特に中学1年生の最初の頃はクラスで「存在を消していた」と振り返ります。

高校は上野学園高校(東京都台東区)に入学。2年生の「探究」の授業に、やってきたのがディスカバ!でした。

大学の探究を体験するディスカバ!のプログラムでは、SDGsの目標「飢餓をゼロに」を小さな子供にも伝える、というテーマ設定で、自分たちで紙芝居のストーリーを作っていきました。

この活動を通して、全校生徒の前に立って話したり、自分の意見を発表や質問をしたりする経験を積んでいきます。いつの間にか、人見知りの性格も変わっていきました。「ディスカバ!に参加したことで、自信がつきました。」と話すりみさん。そこから将来の目標に向けたドラマが始まっていきます。

03.

その後の「探究」の授業はゼミ活動。自分たちで課題設定をしてより深く探究に取り組むことになったりみさん。

最初は課題設定が全く決まらなかったそうですが、自分の憧れである航空業界に狙いを定め、その中でも「おもてなし」がテーマだと考え、改善点を深掘りしていきました。

そこから、「制服の改善」というテーマに絞っていきます。
先行研究にあたるだけでなく、実際に航空会社にアポイントを取得しインタビューを行い、「日本の文化を取り入れた制服の新しいデザイン」を構想していきました。

相手に質問して答えてもらうと、また新たな問題や疑問点が生まれてくるーー。そんなサイクルを仲間と一緒に回していったと言います。

当初はシンプルに着物の形をしていたデザインが、社風やSDGs・環境への配慮、実際に身に着ける方からの意見を取り入れ、徐々にブラッシュアップされていきました。最後は素材にもこだわった企画にたどり着き、航空会社へ提案することに成功しました。

その高い成果はクラスでも評価され、学年代表に選出されて全校での発表にも挑戦します。

りみさんは探究学習を振り返って、「どんどん調べていくうちに、興味のあることなので楽しくて『もっと知りたい!』と思うようになりました」と話します。

04.

そんな中、りみさんは、桜美林大学に航空を学ぶ学群の存在があることを知り、興味を持つするように。

探究を2年生から進め、もう少しでゴールが見えてくるかなという時期に、担任の先生から「探究入試」についても教えてもらい、「このまま進めていけば大学にも入れるかも」と考えました。

さらに、今度は自分からディスカバ!に参加しようと、探究入試対策セミナー(自己分析編)に申込みます。入試方式をどうしようか迷っていたところ、航空・マネジメント学群の大学生メンターから「探究入試でも挑戦できるよ」と伝えてもらったのだそう。

その時のメンター(さき)からのメッセージはこちら。

「りみには、「まとめる力」があると思います。その「まとめる力」が将来目指している「グランドスタッフ」がしている仕事あるいは時にどのように役立つのかも探究してみてください。航空業界で働くという夢を叶えるために一緒に頑張りましょう!またどこかで会えることを楽しみにしています。」

こんな言葉にも励まされ、自信にもつながったことで、探究入試への挑戦を決めました。

入試本番では、探究で進めてきた研究についての質問にもしっかり答えることができ、最後は「なるほどね」と納得してもらえたといいます。

「自分がやってきたことを聞いてもらえた」と手ごたえを感じたそう。

05.

探究入試を突破し、桜美林大学ビジネスマネジメント学群に進学するりみさん。4歳から変わらない憧れの空港で働くグランドスタッフを目指します。

そのために、1年次から基礎をしっかり身につけて、2年次から専門的な知識を学びたいと意気込みます。

「大学生活の中で語学力やコミュニケーション能力などを養い、臨機応変に対応できるグランドスタッフになりたいと思います」

大学に入ると、高校生活で続けてきた探究学習は終わってしまうのでしょうか?

「高校で取り組んだ探究学習はとても楽しいものでした。大学ではもっと違うテーマで探究学習を進めていきたいです」

高校での経験が、大学での研究に取り組むモチベーションにもなっているようです。さらに、グランドスタッフに必要なコミュニケーション能力を高めるためにも、ディスカバ!のメンターとして活動を続け、成長していきたいとも話してくれました。

「探究で近いテーマをやっている中高生の子と意見を出し合っていく中で、自分の研究活動も深めて行けると思うので。私と同じように、1歩踏み出してもらえるような機会をメンターとして作れたらなと思います」

探究学習を通して興味を広げて、大学受験や高校受験に活かして欲しいと語ります。最後に、高校生で探究に取り組んでいる人に向けて、メッセージをいただきました。

「探究学習が始まると、最初は自分で課題設定をしないといけないので、『なにそれ?』と思うかもしれません。自分もそう思いました。でも、探究学習は、私のような探究入試だけではなくて、自分のことをプレゼンするときに発表できたり、面接でも自分の強みとして伝えられたりします」

「自分の思い描いた最後のゴールまで辿り着けなかったとしても、探究のサイクルをどんどん回して、進めていって欲しいなと思います」

自分の興味や憧れを探究学習のテーマにすることで、楽しく探究を進められるのですね。

大学生になるりみさんが、今度はどんな研究に取り組むのか、とても楽しみです。
しっかりと将来の夢に向かって進む姿に力をもらえます。これからも、応援しています!

MAGAZINE LIST