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若者が子どもたちと寄り添う。「相模原 学びの森」の現在

POINT

今回インタビューに答えてくれたのは学習支援団体「相模原 学びの森」を運営する高校生3年生の多聞さん。小学校時代、「学校の居心地が悪いな。勉強を先生に教えてもらうのは嫌だな。」そんな思いを覚えたのがこのプロジェクトを動かすきっかけとなったそう。多聞さんの活動をインタビューの言葉も交えながらお伝えします!

01.


「相模原学びの森」プロジェクトメンバーの集合写真

 

貧困、被災、不登校、いじめ。様々な事情を抱える子供たちがたくさんいる。

そんな子どもたちの居場所をつくり、支えたいと動いている学習支援団体 「相模原 学びの森」

神奈川県 相模原市で小学生たちを対象に、4人の高校生が運営している。
月に2回、子どもたちと遊んだり勉強をしたりして放課後を共に過ごす。

高校生の彼らは、歳が近いお兄さんお姉さんとして子どもたちにやさしく寄り添っていた。
「子どもの学びのために自分たちに出来ることは何だろう?」

 

ーこのプロジェクトは多聞くんひとりで動かしていますか?

いいえ、企画書の時は僕1人でしたが、いざ開催となった時くらいから、僕含め同じ高校の同級生4人で運営しています。

バイトをしていない人や、僕の活動に興味を持ってくれた人達が手伝ってくれました。

ー素敵な仲間が周りにたくさんいますね!

02.

学校で担任の先生と衝突。

学校の居心地が悪いな。勉強を先生に教えてもらうのは嫌だな。そんな思いを抱えながら小学校生活を過ごしていた。

高校生になり、バイトができる年齢になった多聞くん。

しかし彼はバイトではなくたくさんのボランティアに参加をした。

初めはバイトがしたいと思ったこともあった。

 

考えが変わった瞬間は
子ども食堂でのボランティアをした時。

子供たちの笑顔が見れたり、施設の人から感謝されていくうちに、ボランティアの楽しさを噛み締めていた。

 

多聞くんは子ども食堂の他に、フィリピンへ行く海外プログラムで貧困で困っている子供たちと出会ったり、被災地の子供を対象にしたキャンプへ参加をした。

色んな事情から、「学びたくても学べない」子供たちがいる。

 


「だれでも平等に学び、成長できる。そんな社会になればいいのに…」

そう考え始めたのが、プロジェクト誕生のきっかけだった。

 

同じ相模原市で子ども食堂をしている「みんなの食堂 ふじみ」に
多聞くんがボランティア参加した時の様子

 

 

ー参加してみたボランティアはどうでしたか?

バイトの代わりに、だったんです。本当はバイトもしたかったし、最初はいやいやでした。でもボランティアの楽しさに気づいてからはボランティアがいいと思うようになったんです。

ー常に行動力に満ち溢れていますね…!

03.

多聞くんが参加したディスカバプログラムは母から勧められた「子どもの居場所の世界」※だった。

オンラインで配信を聞いていた多聞くんは、ディスカバプログラムで刺激を受け、「自分の活動をもっと多くの人に知ってもらいたい!」と思った。

そこで「ディスカバアワード2020」※へ参加をすることに。

 

※「子どもの居場所の世界」(https://discova.jp/program/2021sm-kodomo/)
自分が住んでいる町にはどんな「子どもの居場所」があるだろう?その現状と未来図について考える、保育・教育のプログラム。2021夏も開催される人気プログラム。

※「ディスカバアワード2020」(https://discova.jp/program/4th-10/)
中高生が、自身が打ち込んできた「探究」や「アクション」について発表するイベント。
2020年はオンラインで行われた。

 


「ディスカバアワード2020」グループ発表での一枚。

 

ーお母さんの影響だったのですね!ディスカバに参加した感想をぜひ聞かせてください。

僕が最初に参加したのは「子どもの居場所の世界」というプログラムでした。タイトルに引かれたんです。

配信を見ているだけだったので、ここでなにか大きな動きがあったという訳ではありませんが、これをきっかけに「ディスカバアワード2020」へ参加することを決めました。

ディスカバアワードの時に桜美林大学の方々や事務局さんから頂いたコメントに勇気づけられて、プロジェクトをもっと頑張ろうと思えたんです。

 

 

企画書段階だった学習支援団体「相模原 学びの森」の計画を徐々に実行段階へ移すために準備を進めていた。

ディスカバアワードではプロジェクトを進めていく多聞くんのドラマが語られた。

思うように参加者が集まらない…
新型コロナウイルスの影響で思うように活動ができない…
せっかく人が集まったのに開催できなくなってしまった…
すごく悔しい。何度も諦めそうになった。

けど、コロナに負けていられない。自分を奮い立たせて歩みを止めることはなかった。
失敗することが新しい発見に繋がる。
その発見がまた新しく挑戦するきっかけになる。

多聞くんが全力を注いだプロジェクトは、「ディスカバアワード2020」のグランプリに輝いた。

 

 

ー多聞くんは現在は高校3年とお若いですが、学校との両立しながらプロジェクトを動かすのはやはり大変ですか?また、栗山くん自身の将来についてどうかんがえていますか?

元々、僕がやりたいと思って、好きで楽しくやっていることなので、大変だなと思ったことはあまりありません。

進路についてはまだ考え中です。僕は元々小学校の先生が良かったんですが、将来的にはこのプロジェクトをもっと大きく拡大していければなと思っています。

 

 

ー今、大変な状況の中で思うように行かないことや、今後の課題などあったら教えてください!

やっぱりコロナの影響は大きくて、人を集めにくいため、なかなか活動回数を増やせなかったりしています。

けど、オンラインでもなにかしたいと思っていて、地域ファウンディングの支援金を使ってタブレットを買い、自宅からオンラインで子供と繋がれないかどうかを試しているところです。

今後はオンライン体制を整えることと、実際の開催施設をもっと大きな場所に移せたらいいな、と思います。

あと、もっと活動しやすくするためにも、学びの森の開催が僕なしでも運営が回るようになって欲しいです。

ーオンラインでも子供たちに少しでも居場所を作ろうと頑張っているんですね。これからも応援しています!

 

 

ープロジェクトで今後挑戦したいことがあれば教えてください!

僕達は今、子どもの居場所をつくることをモットーに活動していますが、子供が自主的に「探究」を体験してくれるようなやり方ができないかな?と考えています。

また、ボランティアを募集しようと考えています。このボランティアに地域の不登校の中学生たちを巻き込めないかな、と考えました。
運営のメンバーに不登校を経験した人がいて、その人と一緒に今後どうやっていくか相談していこうと思います。

04.

「学びの森」の活動はTwitterからもチェックできます。ぜひ応援ください!

 

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