ーー2019年の夏になぜディスカバで高校生向けイベントを開催しようと思ったんですか?
太田:理由はふたつあって。ひとつめが、私と同じような発見をして欲しかったんです。というのも、韓国に行ってみて「そういう風な考え方もあるんだ」と新たな発見ができて、それがとても楽しかったからです。
(イベント当日の様子・You Tube)
ーー「楽しさ」を追体験してほしいということですね。ふたつめは何ですか?
太田:ふたつめは高校生が意見を言う場はあってもいいと思っていて。私が高校生の頃は自分の意見を言う場がほとんどなかったのに、20歳になると「もう大人なんだから自分で考えなさい」と急に自立を求められる。その練習がもうちょっとあってもいいんじゃないかなと思ったので、今回開催しました。
ーー高校生に意見を言う場を作ることを大切にイベントを運営したんですね。
太田:グループに分かれて、ディスカッションや最後のプレゼンをするのは高校生。ASPIREの大学生がファシリテーターで入るという形にしました。グループ分けは、SDGsの17のゴールで、高校生が興味のあるもので分けました。
ーーお互いの興味が近いと新たな発見も生まれそうですね。SDGs以外のテーマで「発信力」がありますが、なぜ発信力にしたのでしょうか?
太田:生活していて、あまり発信力は気にしないことですよね。なので、その難しさと大切さに気づいて欲しいなという思いがあります。SDGsについて発表するときに大切なのは、相手にどれだけ考えや、思いが伝えられるか。
それを意識してもらうためにも、最初に発信力とは何かをグループで話してもらいました。「どうしたらうまく発信できるか」「発信力の定義」などを一番最初に話し合ったので、その後のプレゼンでも、そこを意識していたので、すごく思いが伝わりやすいものができたのではないかと思っています。
ーーじゃあ、今回のイベントは成功ですか?
太田:大成功しました!…と言いたいところなんですが、やはり反省点はあって。この企画は私の価値観で作り上げていったものなので、それをメンバーに共有しなくちゃいけなかったんです。だけど私の語彙力のなさで、なかなか上手く伝えることができなくて….。
ーー価値観を言語化するのは難しいですよね…
太田:なので、今回のイベントを通して改めて、私自身も発信力は重要であると気づきました。また、今回のイベントには、私の価値観が詰まっていたので、この企画を作ることもひとつの発信力の形だとイベントを終えて思いました。
ーーイベントの主催者が、イベントのテーマの重要性について気付かされるのは、なかなか斬新…他に何か発見したことはありますか?
太田:人生の中で、無駄なものってひとつもないということです。挫折や失敗などは、マイナスなイメージがあって。その壁に当たっときに「失敗しちゃった。こんなことしなきゃよかった」って思ってしまう人は多いと思うんです。だけど、このイベントを運営していて、失敗や困難の壁に当たった時に私は「でも、これで成長できるな」と気づいたんです。
ーー失敗や挫折などのマイナスの出来事をマイナスのまま捉える人は多くいると思うんですが、そういう人たちはどうすれば、マイナスをプラスに変換できると思いますか?
太田:一度ゆっくり立ち止まってみて「マイナスとは何か」を考えることだと思います。例えば大きなチャレンジをして、壁に当たったときに、乗り越えるか乗り越えないかを、まず選択するじゃないですか。
そうなったときに私はとりあえず乗り越えてみようと思うんです。とりあえずやってみて、「うまくいけばラッキー」上手くいかなければ、その時に色々考える。それが私は好きなんです。「こういう風にしなかったから、うまくいかなかったんだ」っていう発見ができたら、失敗したとしても、それは私の人生にとってプラスになる。なので、本当に全部が意味のあるものだなって考えています。
ーーまさにエジソンの「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまくいかない方法を見つけただけだ」ですね。
太田:かっこよく言うとそうかもしれません(笑)